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福井 宏之*; 藤本 真人*; 赤浜 裕一*; 佐野 亜沙美; 服部 高典
Acta Crystallographica Section B; Structural Science, Crystal Engineering and Materials (Internet), 75(4), p.742 - 749, 2019/08
被引用回数:9 パーセンタイル:63.29(Chemistry, Multidisciplinary)単斜晶ZrOバデライトは、加圧により体積弾性率と原子振動の異常な軟化を示す。その原因を明らかにするために、我々は構造の圧力変化を中性子粉末回折および第一原理計算により調べた。その結果、体積弾性率の異常な圧力応答は化学結合性の変化というより、酸素副格子の変形、とりわけ*面内で作られる酸素のレイヤーの一つと関係していることが分かった。このレイヤーは、2つの平行四辺形、つまりほとんど歪まず回転するものと圧力で変形するものにより構成されている。このレイヤーの変形が数あるZr-O原子間距離のうちの一つを伸ばし、いくつかの原子振動モードをソフト化させることが分かった。
小松 征彦*; 藤原 優行*
JNC TJ8430 2000-001, 55 Pages, 2000/03
ハル等を処理・処分する上で、発火爆発し易い活性金属粉(ジルカロイファイン)の安定化が重要な問題となる。安定化対策の一手段として、ジルコニウムファインを用いて、673873kにおける水蒸気酸化試験を行った。ファインの酸化安定化状態は、重要変化測定、SEM観察、X線回折、及び簡易な着火試験により調べた。得られた結果を次の通りである。(1)高温水蒸気中での酸化処理後のファインには、ZrO2酸化物とZrH2水素化物が形成された。温度が高くなるほど、ZrO2の形成割合が増加した。(2)重量変化から推定したZrO2形成割合は、673k7h処理後ファインで約24mass%、873k7h処理後ファインで約96mass%であった。(3)673k7h処理後ファインは試験前ファインと同様に発火したが、723k以上にて処理したファイン(ZrO2形成割合64mass%以上)は発火しなかった。
川野辺 一則*; 大橋 和夫*; 竹内 正行; 武田 誠一郎
PNC TN8410 97-433, 49 Pages, 1997/12
(目的)硝酸溶液中に浸漬した非鉄金属材料(Ti, Ti-5Ta, Zr)の表面状態および酸化皮膜を調査する。(方法)3M硝酸およびCr添加3M硝酸溶液中にTi, Ti-5TaおよびZrを沸騰96時間浸漬し、SEMによる表面状態の観察およびXPSによる酸化皮膜の調査を行った。(結果)(1)3M硝酸およびCr添加3M硝酸溶液中に96時間浸漬したTi, Ti-5TaおよびZrの表面状態は、試験前の研磨痕が確認された。しかし、3M硝酸で行った試験のTi, Ti-5Ta表面は、若干腐食による肌荒れが認められた。(2)いずれの試験条件においても、Tiの酸化皮膜は、TiO, Ti-5Taの酸化皮膜は、TiOと若干のTaO, Zrの酸化皮膜は、ZrOであった。また、若干O-H結合の水酸化物が含まれていると考えられる。(3)いずれの試験条件においても、TiおよびTi-5Ta最表面酸化皮膜は、TiOとTiOで構成され、その割合は、TiOの方が多いことが分かった。(4)3M硝酸で行った試験のTiおよびTi-5Taの腐食速度は、Cr添加試験と比べて若干大きく、酸化皮膜の厚さは約800から900と推定される。また、Cr添加3M硝酸で行った試験の腐食速度は小さく、酸化皮膜の厚さも薄く約140と推定される。一方、Zrは、ほとんど腐食せず酸化皮膜の厚さは約220と推定される。(結論)3M硝酸で行った試験のTiおよびTi-5Taの表面状態は、腐食により若干肌荒れし、酸化皮膜は厚く成長することが分かった。Cr添加3M硝酸で行った試験のTiおよびTi-5Taの腐食速度は小さく、酸化皮膜は薄いことが分かった。Zrの酸化皮膜はいずれの試験においても、ZrOで優れた耐食性を示した。